足のトラブルを防ぐ選び方を解説
CHOOSING THE RIGHT SHOES
靴選びはおしゃれや好みの問題ではなく、健康を左右する重要な要素です。外反母趾、内反小趾、浮指、足底筋膜炎など、足のトラブルは間違った靴選びが原因となることがあります。サイズの合っていない靴、特に大きすぎる靴は足趾がうまく使えなくなり、踵が柔らかすぎると接地時に踵がぶれて捻挫のリスクが高まります。足に合った靴を選ぶことで、足のトラブルを穏やかにしませんか。
足の問題
足の問題でよく聞くものとしては、外反拇趾、内反小趾、浮指、足底筋膜炎、外脛骨、アキレス腱炎、シンスプリント、膝関節の痛み、股関節の痛みなどを良く聞きます。どのような症状なのか少し簡単にご説明します。
・外反拇趾
拇趾(親指)が外反(外側に捻じれる)している状態態。変形が酷くなると第2趾に拇趾が乗り上げ、拇趾の付け根が炎症を起こし、痛みを誘発することもあります。
・内反小趾
小趾(小指)が内反(内側に捻じれる)している状態。変形が酷くなると小趾の付け根部分が炎症を起こし疼痛を誘発することもあります。
・浮指
足趾が床につかず浮いている状態。
・足底筋膜炎
足底の足底腱膜が何らかの繰り返しの刺激により炎症を起こした状態。
・外脛骨
足部の舟状骨に付着する後脛骨筋の繰り返しの運動により付着部が炎症を起こした状態。運動量が増える思春期時期に多く見られる。
・アキレス腱炎
繰り返しの運動や繰り返しの負荷によりアキレス腱が炎症を起こした状態。
・シンスプリント
オーバーユースの一つで繰り返しのランニングやジャンプを行った際に、脛骨の骨膜が炎症を起こした状態。
これらの症状、大人に多いわけではありません。最近では、子供の外反母趾や内反小趾、浮指も増えてきています。これには理由があります。そう靴です。ではどのような靴がいけないのかをご説明します。
合っていない靴とは
合っていない靴のポイントは4つあります。
・ポイント1 サイズの合っていない靴
特にサイズの大きすぎる靴です。なぜか多いのですか大きめの靴を選ぶ方がとても多いと感じます。中には2cm以上も大きな靴を履いている方も以前いらっしゃいました。なぜ大きい靴がいけないのかサイズが大きすぎると靴の中で足が動いてしまい足趾がうまく使えなくなるからです。特に前すべりをしてしまい足趾が窮屈な状態になってしまいます。これらは浮指などの原因になります。
・ポイント2 踵が柔すぎる靴
踵が柔らか過ぎると歩行中の踵が接地した際に踵が内側や外側にぶれ足底や下腿部分に負荷をかけてしまいます。これは、シンスプリントや外脛骨、捻挫などを誘発しやすくなります。
・ポイント3 紐の無い靴
紐があることで靴の横幅の調整や前すべりを止めてくれるのですが紐が無いことで横幅が合わないなどの理由で大きめの靴や前すべりを足趾が窮屈になってしまいます。これも浮指の原因になってきます。
・ポイント4 ソール(靴底)部分が柔らかい靴
ソール部分が柔らかいと曲がらなくていい部分でソールが曲がってしまい足底部分に負荷をかけてしまいます。これは、足底筋膜炎などの原因になります。
良い靴の選び方
ではどんな靴を選んだらいいのか?ポイントは4つです。
・ポイント1 サイズの合った靴
靴には中敷きが入っています。この中敷きを外してもらってその上に自分の足を合わせます。はみ出した中敷き部分が足趾から1cm以内のものを選んでください。ランニングシューズなどスポーツをする際に履くものであれば大きくても1. 5cm以内のものを選んでください。
・ポイント2 踵の硬い靴
踵といってもソール部分ではなく踵を覆ているヒールの部分です。この硬い部分が上に高いものを選んでください。
・ポイント3 紐靴
紐のある靴を選んでください。紐があることで横幅の調整、前すべりを止めることができます。
・ポイント4 ソール部分が硬い靴
ソール部分が硬いと言っても全て硬いものではなく、足趾の曲がる部分は曲がるような靴を選んでください。
靴選びについてご説明しましたが、これ以外にも話したいことはたくさんあります。もしお困りの方、分からない方は、当院へご相談ください。